パッシブデザインを注文住宅に取り入れるメリット・デメリット

 最終更新日:2023/09/21

メリットデメリット

パッシブデザインを取り入れた注文住宅を検討している、という方も多いのではないでしょうか。パッシブデザインは、自然を取り入れた暮らしを実現できるとして注目を集めています。パッシブデザインを取り入れるメリットとデメリットを詳しく紹介するので、検討している方は、ぜひ参考にしてください。

パッシブデザインとは?

パッシブデザインとは、自然エネルギーを取り入れた設計技術を指します。取り入れる際のポイントについても詳しく紹介します。

パッシブデザインとは

パッシブデザインとは、太陽の熱や光、風などの自然エネルギーを取り入れた設計技術です。自然エネルギーをバランスよく組み入れることで、家族が健康で快適に暮らせる心地よい住まいの実現を目指します。

自然のエネルギーを有効活用するため、エアコンなどの空調設備の使用を最小限に抑えられるのが大きな魅力です。光熱費などのランニングコスト削減に繋がり、省エネでエコな暮らしが実現可能です。パッシブデザインは、環境にも家計にもやさしいと、近年注目を集めている設計手法です。

パッシブデザインを取り入れる5つのポイント

パッシブデザインを取り入れる5つのポイントは、以下の通りです。

・日射熱を利用した暖房

・日射を遮り室温の上昇を抑える

・高断熱、高気密

・風通りをよくする

・昼光を利用して明るさを確保

パッシブデザインでは、5つのポイントをバランスよく取り入れることが重要です。冬は太陽の熱を利用して快適に過ごせる室温を保ち、夏は軒やひさしを工夫することで厳しい日差しを遮り室温の上昇を抑えます。

高断熱、高気密との組み合わせで室内の空気を逃さず、1年中室温を一定に保つことで快適に過ごせるでしょう。自然の風が入るので、エアコンの風が苦手な方も安心です。昼光を利用することで、照明なしでも十分な明るさを確保。

季節ごとの日射角度や風向き、日当たりなど、さまざまな要素を考慮して設計するため、家族が心地よく過ごせる温度や明るさ、空調設備に頼り過ぎない暮らしが実現可能です。

パッシブデザインを取り入れるメリット

パッシブデザインを取り入れることで、ランニングコストが削減できたり、自然を取り入れた健康的な暮らしが実現できたりするメリットがあります。ここでは、パッシブデザインを取り入れるメリットを、詳しく紹介します。

ランニングコストの削減が期待できる

自然エネルギーを取り入れた住まいを設計することで、エアコンなどの空調設備の使用頻度が低くなり、ランニングコストの削減に繋がります。夏は涼しく冬は暖かく、快適な温度を保てるため、空調設備に頼りすぎない暮らしが実現可能です。光熱費を抑えられるため、家計への負担が軽減されるでしょう。

自然を取り入れた健康的な暮らし

自然のエネルギーをバランスよく取り入れることで、体への負担が軽減できるでしょう。エアコンによる体の冷えや、急激な温度変化によるヒートショックなども起こりにくくなります。家族が健康で快適に住み続けられる住まいが実現可能です。

パッシブデザインを取り入れるデメリット

一般的な注文住宅と比較すると、パッシブデザインを取り入れた住宅は、初期費用が高い傾向があったり、希望通りの間取りや外観にできないケースがあったり、デメリットもあるため注意が必要です。

初期費用が高い

建物の構造や設計、使用する材料などさまざまな工夫により、自然エネルギーをバランスよく取り込むことを目指す建築のあり方が、パッシブデザインです。一般的な注文住宅と比較すると、パッシブデザインの注文住宅は、初期費用が高い傾向があります。

初期費用は10年~15年で回収できるといわれています。しかし自然エネルギーの有効活用で、光熱費などのランニングコストを抑えることが可能です。

希望通りの間取りや外観にできないケースもある

パッシブデザインを選択する際は、太陽の熱や光、風を効率的に活用できるように設計するため、地域の特性や立地、家の向き、周辺環境などさまざまな条件によって左右されます。希望通りの間取りや外観にできないケースもあるため、注意が必要です。

また、パッシブデザインが可能な施工会社の数は多くありません。施工できる会社に限りがあるため、工務店やハウスメーカーなど幅広い選択肢から選びたい方は物足りなく感じるかもしれません。

パッシブデザインの注文住宅を建てる際には、経験豊富で地域の特性を熟知している工務店やハウスメーカーに依頼すると安心でしょう。

まとめ

この記事では、パッシブデザインを注文住宅に取り入れるメリットとデメリットについてお伝えしました。パッシブデザインとは、自然エネルギーの活用を取り入れた住まいの設計技術を指します。家族が健康で心地よく暮らせる家づくりの考え方として、近年人気を集めています。

ランニングコストの削減や、自然を取り入れた健康的な暮らしが手に入るなどのメリットがある一方で、初期費用は高い傾向があるなどのデメリットがあります。メリットとデメリットを比較して判断することが大切です。

パッシブデザインが可能な施工会社は多くありません。パッシブデザインを取り入れた注文住宅を検討している方は、知識と経験が豊富な施工会社に依頼するとよいでしょう。

おすすめ関連記事

検索

【NEW】新着情報

注文住宅の間取りは、快適な家庭生活の基盤です。それは単に空間を区切る以上の意味を持ち、日々の暮らしを豊かにする役割を担います。この記事では、間取りを決めるうえでの重要なポイント、成功例と失敗
続きを読む
住宅にはそれぞれ寿命があり、寿命をどう理解し、どのように長く住み続けるかは、多くの家主にとって重要な問題です。この記事では、木造、鉄骨、鉄筋コンクリートの各住宅タイプの寿命を解説し、日常のメ
続きを読む
家を建てる際の選択肢として、二世帯住宅を検討する方もいるでしょう。二世帯住宅にすれば、親とも一緒に住めるため、子供が生まれた際には、面倒を見てもらいやすく、逆に親が高齢となった際にも介護しや
続きを読む