注文住宅を建てるなら「床材」にこだわろう!
床材には、一般的にイメージされやすいフローリング以外にもさまざまなものがあります。そのため、注文住宅を建てる際は後悔がないように、床材を選ぶポイントを押さえて置く必要があります。本記事では、床材の種類とその特徴も含めて詳しく解説するので、注文住宅の購入を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
床材の種類とその特徴
新築住宅を建てる際、床材の選定は快適な住まいづくりに欠かせない要素のひとつです。床材にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる特徴やメリットが存在します。ここでは、特に新築住宅で多く使用されている代表的な床材の種類と、その特徴について紹介します。
フローリング
まずもっとも一般的に用いられているのが、フローリングです。フローリングには、大きく分けて無垢フローリングと複合フローリングの2種類があります。
無垢フローリングは、一本の木から切り出して作られており、木のぬくもりや風合いを直接感じることができます。年月が経つほどに色味や質感が変化し、味わいが増していく点も魅力です。
一方、複合フローリングは、複数の木材を接着して構成されており、反りや伸縮に強く、安定性に優れている点が特徴です。
クッションフロア
クッションフロアは、塩化ビニール素材を使用した床材です。裏面にクッション材が取り付けられているため、柔らかく足腰への負担が少ないのが特徴です。
表面がビニール加工されているため、汚れに強く、水にも耐性があることから、キッチンや洗面所など水回りに適しています。施工も簡単で、必要な形にカットしやすい点も利点のひとつです。
フロアタイル
フロアタイルは、クッションフロアと同じく塩化ビニールで構成されています。しかし、こちらはクッション性がなく、より硬質で傷に強いという特徴があります。耐久性に優れており、土足での使用も可能です。
見た目のデザイン性が高く、天然石や木目の質感をリアルに再現した商品も多いため、インテリアにこだわりたい方にはおすすめです。
タイル
タイルは、長石や石灰などの原材料を高温で焼き固めて作られる床材で、磁器質タイルや陶器質タイルなどの種類があります。非常に堅牢で、耐水性や耐久性に優れており、玄関やテラス、浴室などで多く使用されます。
初期費用はほかの床材と比較して高めですが、そのぶん長寿命で、メンテナンスの手間も少ないのがメリットです。また、化学物質を使用していない点から、アレルギーに配慮したい家庭にも適しています。
畳
畳は日本の伝統的な床材でありながら、近年は和モダンスタイルとして再評価されており、新築住宅にも積極的に取り入れられています。畳は保温性や断熱性に優れ、冬場でも足元が冷えにくいという特徴があります。
従来のい草のほかに、現在では和紙や化学繊維を使った畳も普及しており、ダニやカビに強く、お手入れも簡単になりました。和の雰囲気を保ちつつ、現代的な空間にも調和するため、デザインの幅も広がっています。
床材を選ぶ際のポイント
新築住宅を計画する際、床材の選定は住まいの印象や快適性を大きく左右する重要な要素です。さまざまな種類がある床材を選ぶ際には、単に見た目の美しさや素材の人気度だけで判断するのではなく、暮らし方や目的に応じた選び方が求められます。そこで、新築における床材選びで押さえておきたい5つのポイントについて紹介します。
テイストに合う素材を選ぶ
家全体のデザインや目指すインテリアの雰囲気に合う床材を選ぶことで、統一感のある空間が生まれます。たとえば、木の温もりを生かしたナチュラルな空間には無垢フローリング、和の雰囲気を重視するなら畳、モダンでスタイリッシュな空間にはタイルなど、素材選びが空間の完成度を左右します。素材ごとに異なる表情を持っているため、好みに応じたコーディネートが可能です。
色にこだわる
床の色は部屋の印象に直結する重要な要素で、明るい色は空間を広く見せ、暗い色は落ち着いた雰囲気を演出する効果があります。家具や壁紙との相性、昼夜の見え方なども踏まえ、家族全員が納得できる色味を選ぶことが望ましいでしょう。
サンプルを確認しておく
カタログやインターネット上の写真で見る床材と、実際の質感や色合いには違いがあります。光の当たり方や見る角度でも印象が変わるため、可能であればサンプルを取り寄せ、実際に目で見て触れて確認することが失敗を防ぐコツです。
お手入れ方法を確認しておく
どんなに美しい床材であっても、日々の生活で傷んでしまっては本末転倒です。素材によっては水や汚れに弱いものもあるため、メンテナンスの頻度や方法も選定基準として加えておきたいところです。新築後の生活をイメージし、無理なくきれいな状態を保てる床材を選びましょう。
ペットと暮らす場合の配慮
ペットと暮らす場合には、足腰に負担をかけない素材や爪による傷が目立ちにくい、滑りにくい床材など、動物に配慮した選択が必要です。しかし、家全体をペット向けの仕様にするのは予算面やデザイン面で難しい場合も多いです。
そのようなときは、リビングの一角やペットの活動スペースだけを専用床材にするなど、部分的な施工で対応しましょう。まずはハウスメーカーや施工会社に相談してみると、有益なアドバイスが得られます。
まとめ
注文住宅を建てる際、見落としがちですが非常に重要なのが床材選びです。床材は見た目の印象を大きく左右するだけでなく、快適性やメンテナンス性、暮らしやすさにも直結します。フローリングやタイル、畳など素材ごとに異なる特徴があり、デザイン性・機能性・耐久性を総合的に考慮することが大切です。また、テイストや色味、ペットとの暮らしなどにも配慮し、家族構成やライフスタイルに合った床材を選ぶことで、後悔のない住まいづくりが実現できます。自分たちの理想の空間を叶えるためにも、素材の特性やお手入れ方法を事前に理解し、ハウスメーカーとしっかり相談しながら選ぶことが成功のカギとなるでしょう。